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依存愛-彼と過ごした3000日-

第1章 夜暁


「花、結城に洗脳されないで」


藤崎さんよりも早く、現実に戻ってきたのはどうやら澪のようで。
しーちゃんに肩を抱かれてにこにこの花を、思いきりしーちゃんから引き剥がしたんだ。

「修、お前、ほんと最低」

視線はしーちゃんに捕まったまま。
ニッコリ笑うしーちゃんに合わせて、微笑んだ。

「どうも」

洗脳されてるつもりなんてない。


「花もいい加減目覚ませ」
「花、ちゃんと起きてるよ?」
「…………修、お前こんな天然記念物騙して、どこも痛まねぇ?」
「騙してねーし」
「ほんと、最低」

最低?


そんなの、とっくにわかってる。
今までの優しさも。
笑顔も。
花に触れる唇も。

全部、嘘。

わかってる。

しーちゃんは、悪い人。

だけどね?

しーちゃんがずるくて悪い人だから、花はしーちゃんのそばにいられるの。
しーちゃんの裏がある優しさも、そのおかげで花はしーちゃんに愛してもらえる。
必要としてもらえる。


全部わかってる。


しーちゃんが大好きな、バカで都合のいい女は、花だけの指定席。
誰にも渡さない。

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