第8章 甘い蜜の、対価、代償
「な……っ」
っに、言ってる、の?
「ま、待って優生……っ」
簡単に下着のホックまで外されれば、肩にぶら下がってるだけの、心許ないただの布切れと化す。
腕を下げちゃえば、簡単にずり落ちていくに違いない。
「………っ!!、ひぁっ」
羞恥心で目を閉じた瞬間に、胸の頂へと感じた舌の感触。
思わずビクン、と喉元を反らせば。
奥行きのない下駄箱の上で、体がガクン、とバランスを崩す。
「あぶない花、ちゃんとつかまってて」
「ち、が…っ、ゆうっっ!部屋、すぐそこだからっ」
「だってもう待てないし」
「やだ、こんなところやだ、ってば!!」
「しー」
ドンドン、て。
優生の肩を思い切り叩けば。
両手首は頭上で纏めあげられて、壁に縫い止められた。
「その顔、ほんと煽るの上手いよな」
「怒ってるの!!こんなのやだ!!」
「ほんとに?」
「え」
右手が太ももを伝って、スカートの中へと侵入する。
そのままゆっくりと指先が太ももをなぞれば。
「……っ」
下着越しに、指先が秘部へと触れた。
「濡れてる」
「ち、が……っ、だって……」
それは、優生が、触れるから。
「!?」
不意に左膝裏に腕を回されて、足が大きく開く。
「ちゃんとつかまってて」
「え、や、嘘………」
そのまま、下着が脱がされることもなく。
宛がわれたままに、それは下から重い衝撃となって私を突き貫いた。
「…………………ぁぁあっ」
いつもこんな強引なこと、しない。
「聞こえるよ?」
脚の踏ん張りが効かなくて。
体を支えらんない。
狭い下駄箱の上じゃ、自分の体を支えるのに精一杯で。
崩れ落ちる度に、深く突き刺さる。
「も、ほんと、やだ……………っ」
「花の中はもっともっと、って、絡んでくるよ?」
「酔いすぎだよ、優生……っ」