第8章 甘い蜜の、対価、代償
「自覚してないあたり、やっぱりひとりにさせらんない」
「?」
自覚もなにも、優生の職場の方がきれいな人いっぱいじゃん。
あんな人たちに誘惑されたら、花勝ち目ないよ。
旅行代理店って、きれいな人、多いよね。
男の人も女の人も。
「………花、この前優生がくれたの飲みたい」
「カクテル?お酒だよ?」
「知ってる。甘いのなら、飲める」
花だってちゃんとお酒飲めるよ。
「だめ」
「なんで?」
優生がお酒飲むなら、付き合うくらいには飲めると思ったのに。
「花は酔うと危険だから」
「優生がお酒好きなら、花も飲めるようになりたい。一緒に飲みたい、花も」
「……………っ」
あれ?
赤くなるとこ?
「優生?」
「そーゆーかわいいの、ふたりの時にして」
「?」
左腕で口元を覆いながら視線を外す優生は、耳まで真っ赤。
お酒、酔った?
わけないよね。
時々、優生の思考回路は謎が多い。