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依存愛-彼と過ごした3000日-

第8章 甘い蜜の、対価、代償


「優生って、人気ある?」


ビールを口に流し込むように飲んでる優生を見上げて。
そう聞くと。


いきなり蒸せ混んで咳こみ始める優生。

「ごめん、大丈夫?」

烏龍茶を促してから、背中を擦ってると、だんだん落ち着いてきたのか涙目の優生が逆に聞いてきた。

「なんで?」


「なんとなく?」


同じ職場の人にも、告白されたこととかあるのかな。


「今までそんなの気にしたことあったっけ?」


「あったよ。高校の時だって、よく女の人部屋に連れ込んでた」
「……………人聞き悪いね、それだけ聞くと」
「事実だもん」
「……………まぁ、俺も男だし」
「認めた」
「認めますよ」


よく見ると、かっこいい、よね。
良く見なくても、カッコいいとは、思う。
中学も高校も、狙ってるコ、けっこういたし。

優しくて。
気が利いて。

モテないわけ、ない。



「職場の人、女の人多いよね」

「は?」

「誘われたり、しないのかな、とか……………」

あらためて言葉にすると、恥ずかしい、かも。
なんか、これじゃまるで。

「もしかして、妬いてくれてる?」

そんな風に、のぞきこまれると余計に顔に体温集まっちゃう。

知られたくなくて。

俯き加減に首を横にブンブン振ると。
笑いをこらえきれてない優生の声がした。

そして。

「俺は、花の方がモテると思うけど」
「えぇ?花?ない、ないないないよ」
「前もそんな反応してたね、なんで?」


なんで、って。
これ、はぐらかされてる、のかな。


「モテたこと、ないよ?」
「こんなにかわいいのに?」
「そんなこと言うの、優生くらいだよ」


『かわいい』って言われて嬉しくない女の子はいないと思うけど、こう、人前で言われると、照れる。

「よく言われてんじゃん」
「言われてないよ?」
「職場で噂んなってたよ?カフェにかわいいコがいるんだよ、って」
「えぇっ!?たぶんそれ、花じゃないよっ」
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