第1章 夜暁
『お前らいったい、どーしたいわけ?』
あれ。
ああ、そっか。
前にもよく、言われてたっけ。
「何?」
「ううん、前にも、澪の旦那におんなじこと言われてたなぁ、って」
思わず自然と溢れた笑みに、澪が頬杖付きながら、目の前のアイスティーを飲み干した。
「…………成長してよ、頼むから」
「努力します」
苦笑する私に、やっぱり澪は、目の前で大きな大きなため息を盛大に吐き出してくれた。
18歳の秋に始まった私の恋は、大好きな彼と甘い時間を共有するにはあまりにも幼すぎて。
経験も知識も全てが上をいく彼には、私はやっぱり、幼すぎてつりあわなかったんだと思う。
私たちの恋は、あっとゆーまに終わりを告げた。
あの頃の私たちは。
たぶん友達の延長上にいただけだったのかも、しれない。