• テキストサイズ

依存愛-彼と過ごした3000日-

第7章 『混濁』


頭パニック状態で。




自分が発した地雷に気付いたのは、しーちゃんの表情を視界が捕らえてから。




「あ……………」




しーちゃんも、花が気付いたのに気付いたみたいで。




「『も』って、何」





低い、声。




「ああ、彼氏『も』、キスの時目あけてたんだ?」



「しーちゃ、ごめん」



「別に」



視線をそらして、しーちゃんが離れてく。



「謝られる筋合い、ねーし」



そのまま、運転席のドアを閉める音が真っ暗な中に響いた。




慌てて、助手席に乗り込むと。



シートベルトをする暇を与えられず、すぐに車は走り出した。




「あの、しーちゃん」



「彼氏好みに、ずいぶん調教されてんじゃん」



「ち、調教って……………」





聞きなれない言葉に、勝手に体温が上がっていく。




「慣れないヒール履いて、これ見よがしにマーキングまでされて。挙げ句キスまで彼氏好みに調教されたわけだ」



「き、きすのしかた、って」




えぇ?




キスって、やり方あったの?



なんか、変わったとこあったっけ?




「上目使いまで使って」





え、えーと。



待って。




上目使い?




「俺の前であんな顔、見せたことなかったよな」



え、えーと。




「ま、待って、しーちゃん!」



とりあえず、1回、落ち着かなきゃ。




上目使いも、どんな顔かも、もちろんキスの仕方とやらも、全然理解出来ないけど。




でも、これだけはわかったかも。




「しーちゃん、妬いてる?」

/ 256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp