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依存愛-彼と過ごした3000日-

第7章 『混濁』


ふたりして同じタイミングでため息って、なんかけっこうショックだよ?


「……なんのため息、それ」



「なんでもない。疲れた、のため息」
「あー時間も時間だしね。なんか食べてく?」
「いいの?新婚さんが旦那ほっぽって」
「結婚したからって住んでる家も家具も変わらないし。新婚って気分じゃないから」
「付き合い長いとそれはそれで悩みだね」
「そうなんだよ」



「ちょっと!!」



空気とでも同化したかと思えるくらいに私の存在をスルーしながら更衣室を出るふたりを呼び止める。


「花も行く?」


「……行きます、けど」

「ん、決まり」


何事もなかったように、鏡の前でメイク直し。
まぁ、そんなふたりだから、大好きなんだけどね。






何気なしに携帯を取り出せば。

『まだ仕事?』

7時頃、優生からのライン。

『今終わったよ』

送信すると、すぐに既読された。

『お疲れ』のスタンプ。

『澪とさくちゃんとご飯行ってくる』

『迎え行く?』

『今日車だから、大丈夫』

『気を付けてな』


「綾瀬さん?」

「わぁ」

メイク直しを済ませたさくらが、すぐ後ろから声をかけてきて。
一瞬本気で、びっくりした。

「気付かないくらい夢中だった?」

「ビックリしただけだよ」

「綾瀬さんに会うなら、今日大丈夫だよ?」

「違うよ、会わない」


ラインを閉じようと再度携帯に視線を戻すと。

未読のライン通知。


優生かな、と思ってラインを開いた。




けど。







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