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依存愛-彼と過ごした3000日-

第7章 『混濁』


「もー何でもない!花、もー帰るから‼」


「あ、花?それ、バンソーコーよりもメイクで隠した方が目立たないかも」
「確かに、それ、超目立つ」

「………………そんなに、目立つ?」


ふたりの大きな頷きに。
1度肩へとかけたバッグをまたおりてみたりして。


「…………さくら、隠せる?」

「程度によるけど」


うっ。


再度硬直。


程度。


程度、って、どの程度?



「いいから、剥がすよ?」

「……………まっ…………いったっ」

澪の声が降ってきたとたん、止める間もなく、首もとに痛み。

「……………あー、なるほどね」

「くっきりだね」


剥がされたバンソーコーが、また同じところに貼り付けられる。


視線を合わせてくれないふたりが余計怖い。


「花、化膿する前に消毒しときなね」

「修羅場、って、怖いね」


「ふたりとも、目が笑ってないよ」


「『浮気の代償』だね」

「なんか昼ドラみたい。かわいー顔して、ドロドロだね、花」

「勝手に昼ドラみたいな題名着けないでよ、澪。それに全然ドロドロじゃないもん。しーちゃんとはもう終わったの」


「ほんとにー?」

「子供産まれるんだって、結城」

「まじ?不倫は止めといた方がいいわ、末路が知れてる」

「だから、しーちゃんはもう関係ないんだってば」

「そんなの、綾瀬さんだって信じないでしょ」

「だから、これなんじゃない?」

首もとをトントンしながら、澪。

「綾瀬さん、ほんわかしてるイメージなのに、怒ると怖いんだね」

「……………………怖かった」

ボソッと呟いた私の声に、同時に振り替えるふたり。



「な、なに?」



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