• テキストサイズ

依存愛-彼と過ごした3000日-

第7章 『混濁』


「大丈夫だった?」

「何が?」


月曜日。
の、仕事終わりの更衣室。
定時上がりでもしない限り、基本更衣室はガラガラ。
しかも現在9時前。
こんな真っ暗な時間、ほとんど誰も降りてこないわけで。
実質、澪とふたりきりだ。

旦那の仕事の都合上、来週から新婚旅行に行く予定になってる澪は、今週はお仕事ウィーク。


「だいぶ酔ってるみたいだったけど」


トントンって、自分の首もとを叩きながらそう言う澪は、意地悪そうに笑ってる。


「な、何?」


「それ、ずいぶんおっきいバンソーコーだね」


すでに着替えを終えた澪ちゃんは、あたしの隣のロッカーに背中を凭れかけ人の着替えを視姦中。

「あー、うん、引っ掻いちゃって?」

「ふぅん」



だめだ。
絶対顔、赤い。
制服から私服への着替えは、一度制服を脱ぐわけで。
制服では見えなかった肌への赤いあとが、ありありと澪に晒したことになる。


「花、結城とはどーなの?」
「え?」
「トイレから出てきたの、見たよ」



自分から話題を反らしてくれたことには感謝してる、けど。
この話題もちょっと微妙だなぁ。



「………………うん」



「花」
「大丈夫、何もないから」
「花」
/ 256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp