第6章 嘘と隠し事の、境界線
「花、目、あけてちゃんと見て」
煌々と電気が輝くとんでもなく明るいこの空間で。
惜しげもなく晒す肌が恥ずかしくて。
隠したくてもがっしりと手首ボールドされて隠せない。
この状況で目なんて開けなくて。
ただ目をぎゅっと閉じたまま、首を降り続けるしか出来ない。
「花」
「やだ……っ、お願い電気……」
「駄目」
「………っ」
視線だけが突き刺さる。
声が。
視線が、冷たい、痛い。
それだけのことしたの、自分なんだから。
わかってる。
わかってる。
わかってる、けど。
「……っ、ぁ」
暗闇の中訪れたのは、胸の先端への刺激。
「見られて恥ずかしいのに、感じるの?」
「ゃ……っ、違っ、そこ、で息、やぁ……っ」
「違わない。花、酷くされても気持ちいいんだ?」
「………っ」
こんなの、優生じゃない。
目を開いて、唇をかみしめながら涙が溢れた。
優しい優生に、こんなことさせてるのは自分なのに。
「ゆ……っ、ごめ…っ」
「だから、謝んなって言ってんだろ!!」
「!!」
普段なら絶対、こんな大声出さないのに。
苛立ちを隠さず怒鳴る優生に、ビクンと思わず、反応した。
その反応は、優生をさらに苛立たせたようで。
辛そうに顔を歪めた、あと。
強引にベッドへと私を押し倒した。
「逃げなかったの、花だよね」
「ぇ」
「逃げないなら、逃がさない」
「ゆ……、ん…っ」
苛立ちのままに重なった唇は、酸素を根こそぎ奪っていき。
逃げる舌を吸い上げては、口内を蹂躙していく。
呼吸がどんなに苦しくてもやめてなんてくれなくて。
いつしか片手は、胸の先端を弄ぶ。
「ふ……っ、ん、んん……っ」
「花、教えたろ?キスの仕方」
「そんなの…っ、無理っ」
「なら、次はこっち」
「………っ、ぁああ…っ」
いきなり胸の先端に吸い付かれて、片方はギューっと強く摘ままれれば。
強い刺激に腰は宙へと浮き、天へ喉元を晒す。