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依存愛-彼と過ごした3000日-

第5章 対峙


「花の好きそうなの、持ってきたよ」



簡単な軽食片手に、グラスをひとつ、差し出してくれる優生に、慌てて視線を戻した。



「ありがとう」
「どういたしまして」




優生に促されて、一口口の中に流し込んでから、喉をならす。



あれ?




「……………これ、お酒?」
「うん、花お酒嫌いだっけ」
「……あんまり飲んだことは、ないかな」
「違うの貰ってくる?」
「ううん、大丈夫。ありがとう」




いつもいつも、アルコールと一緒にディナーしてるわりに。
実は、お酒飲めなかったり、する。
飲めない、わけでもないんだけど。



1度だけ、仕事初めの飲み会で飲んだお酒は苦くて、辛くて。

美味しくなかった。

その時に飲んだお酒は、飲みやすいからって勧められたジュースみたいなカクテル。
甘い、美味しい、って次々と飲み干すみんなが理解できなかった。



それ以来、お酒は飲んでない。





「優生も、飲んでいいよ?」
「俺車」
「……………代行、って、知ってる?」




さっきのカクテルを口に含みながら。

優生を見上げると。



「花が飲まないなら俺飲んでも意味ないし」
「飲んでるよ?これは甘くて美味しいもん」
「うーん……」
「好きでしょう?お酒。いつも私に合わせて飲んでないの、知ってるよ?」
「別にそーゆーわけでもないけど」
「花に甘すぎだよ?優生は」

「………花、酔った?わけないよな、そんなちょっとで」

「酔わないよ、一杯くらいじゃ」
「だよな」




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