第5章 対峙
二次会は結婚式場の小さな会場を貸しきって行われた。
結婚式みたいに新郎新婦の固定の席はなく、立食パーティ形式。
式場で二次会やるなんて言うから、もっとかしこまってるのかと思ってたら、けっこうフレンドリーな感じで落ち着く。
「さっきの、ほんと?」
「さっき?」
「ナンパされたの?」
「まさか、されてないよ」
「ほんとに?」
「されるわけないよ、ナンパなんて」
自慢じゃないけど、今まで生きてきてナンパなんてされたことない。
「心配しすぎだよ、花、そんなにもてないよ?」
告白だって、された人数イコール付き合った人数。
澪みたいにモテモテな人生歩んできてない。
「『それ』が、心配なんだよ」
「?」
「……………別にいい」
「???」
たまに、思う。
みんな言葉足らないよね?
花には全然理解できないよ。
「あ、会費。幹事ってどの人?」
「花、払っといたよ?」
「え、いくら」
「大丈夫だよ、いつも出してもらってるもん」
「それはそれ、これはこれ」
「大丈夫だって。花、こー見えてお金持ちだよ?」
「確かに、稼いでっかもしんないけど。」
「うん」
「………じゃ、次の休み花の行きたいとこ連れてくよ」
「いつもと一緒、だよね?」
「…………そっか。じゃ、花のしたいことする」
「それも一緒」
「…………じゃぁ」
「だから、いいよ。たまには花に甘えて?」