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依存愛-彼と過ごした3000日-

第1章 夜暁


「花?」


「修、くん?」



「うん」


ようやく視点のあってきた瞳で、隣の修くんを見上げると、あり得ないくらいの笑顔が降ってきた。


その笑顔だけで、また頭がフリーズしそう。



「返事は?」

「え?」



『俺たちも、付き合っちゃう?』



「え、と」


まだ、右手は絡まったまま。

ぎゅっと、握られてる。



「花も、修くんが、好き、です」



「知ってる」


「え?」


「花、分かりやすいもん、バレバレ」

「ええ?」



ただ握るだけだった手が、恋人繋ぎに、かわった。



「花、かわいすぎ」



今度は、目の前に修くんの顔。


恥ずかしすぎて、目、合わせらんない。





思考回路が、フリーズした。







「花ちゃん?」






これは、現実?


夢、見てるの?



「え、っとあの…………、修、くん」

「修で、いいよ」

「え?」

「花は、今から彼女でしょ?」



『彼女』



初めてのその響きが、くすぐったく感じる。


「し、しゅ、う?」


「なに、それ」


だって。
男の人、呼び捨てになんてしたことないもん。
無理だよ。


「あ、あの、修、くん?」

「んー?」

「ちかい、よ?」

「キスしよーとしてるから」

「え……………」


さっきの、軽く触れるだけのキスとは違って。
長い時間。
唇に感じる感触。


え、えっと。


目、閉じる、べき?


でも、今、閉じていいの?



「花」


「は、はい」


「口、あけて?」


頭に触れていた右手は、いつのまにか後頭部に回されていて。
握っていたはずの左手は、口元に添えられていた。

そのまま顎を少し押されると、自然と開く唇。

「それと、目は、閉じてろよ?」


「………………………っ」



少しだけ開いた唇の隙間から、強引に進入してくる異物に、思わず目をぎゅっと、閉じた。


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