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依存愛-彼と過ごした3000日-

第4章 再会


「………………っ」



耳元へと捩じ込まれた吐息混じりの囁きは、ダイレクトに耳から脳まで犯していく。
ついでに耳の中へと押し込まれた生暖かいそれは、ピチャピチャと音を立てて、私の神経までも、支配するのだ。


「ん……っ」



弄ぶようにピチャピチャと水音を響かせていたそれが不意に、耳たぶに歯をたてられて、一瞬声が、漏れた。


「……っ」

そのまま、気を良くしたのかしーちゃんの手は壁へと着いたまま、動きを封じるように体が密着して。
生き物のように首筋を這い回る舌に、全身の力が抜けていく。


「しーちゃん、やだ」


崩れ落ちないように必死で両足へと力を入れても、今私の体を支えてるのは間違いなくしーちゃんの右膝だ



「しー、ね?」



弄ぶように、舌全体を使って、あたしを愛撫する。



背中のファスナーが下ろされる音で。
頭の中で、赤信号の光がチカチカと点滅した。





「しー、ちゃん、お願い、やだ」


ファスナーが下ろされれば。
しーちゃんの右手が簡単にその体を乱していく。
首から肩へと、唇が触れた。


「しーちゃん」


これ以上ドレスが乱れないよう両手でドレスを掴んでも。
それを拒むようにしーちゃんが右手を重ねた。









「花」


うつむいていた顔を、しーちゃんの左手が上を向くよう誘導する。
逃げられない口付けを、瞳を閉じて受け入れる、けど。




これ以上進入してほしくなくて。
必死で、唇を噛み締めた。










「そんなに噛んだら、血、出るぞ」


ふ、って、笑う気配にそっと瞳を開ければ。
親指が唇をなぞっていくその感覚に、ぞくぞくと何かが下腹部から這い上がってくる。



「しーちゃん、お願い…………」

『離して』

って続くはずの言葉は、しーちゃんのキスに飲み込まれた。
話すために開いた唇から、舌が進入してきて。


息もできないくらいの甘い口づけに、全身の力が脱力していくのがわかる。

さっきの強引なのとは全然違う。

すごく優しい、キス。


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