第4章 再会
「…………………」
だってしーちゃん、奥さん、いるんだよね?
今。
花にキスなんかして、いいの?
そーっと、顔をそらしたまま、しーちゃんに視線を送ると。
しーちゃんの視線の先は。
私じゃなくて。
首筋。
あ……………。
とっさに、首筋を隠そうと持っていった左手は、いとも簡単にしーちゃんにとらえられて。
首もとに巻かれたストールも、簡単に緩められた。
「彼氏?」
指先で、昨日つけられた跡をなぞる。
「………………っ」
「ずいぶん、独占欲強い彼氏だな」
聞こえた低い声の意味を理解する暇もなく。
後頭部に添えられた手の存在に気付いた瞬間。
強引に引き寄せられて、唇が重なった。
もともと身長も低いけど、今日はピンヒールのおかげで、プラス10センチ。
それでもしーちゃんの身長には全然届かなくて。
引き寄せられて重ねられた唇は、どんどん深さを増していく。
後頭部に添えられた手のせいで、身動きがとれない。
ピンヒールの意味もないくらいに、かかとが宙に浮く。
足の指先でたってるのが、やっと。
こんなに強引なキスは、はじめて。
さすがに苦しくなって、しーちゃんの腕を叩くと、やっと唇が解放された。
かかとが、床につく。