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依存愛-彼と過ごした3000日-

第4章 再会


「ねぇ花」
「んー?」

帰りの車の中。
いつになく真剣な声に、一瞬びっくりした。



「俺たちもしよっか」
「ぇ」
「結婚」


「………」



け、こん?


結婚っ!?


「えぇっっ!?」

「そこまで露骨に引かれっと、さすがに傷つくなぁ」
「えぇ、あ、ごめん。…じゃなくて、結婚?」
「そう、結婚。花のドレス姿、可愛かったし。まぁ花なら何着ても可愛いけどさ」


………ストレートに、誉められるとさぁ。
どんな顔していいのか反応困るよね。

「すぐ照れちゃうし」
「そりゃそーだよ!!花のことからかって遊んでんでしょっ」

ハンドルを握る腕をポカポカとぐーで殴ってやれば。

「危ないって」

カーブで思いきり車は横道に逸れた。


「………いじわる」


わざとだ。
絶対、わざとやったよ、今この人。


「はは……っ、ごめんて」
「ほら、すぐそーやって子供扱いするっ」

後頭部へと伸びてきた左手を払いのける勇気もないくせに、口先だけで、抗議する。



「した覚え、ないってば」
「してるもん、絶対」


「それはさ、遠回しに俺と結婚したくないって言ってる?」
「?なんでそーなるの?」
「いや、話わざと反らしてんのかなって」
「……っ」
「当たりだった?」


当たり、だった。


結婚、なんて。
私にはまだ、全然おとぎ話、みたいで。





「まだ、忘れらんない?」
「え?」
「時々花、あいつのこと考えてるの、知ってる」
「…………………」
「俺じゃだめ?」






いつの間にか、辺りは真っ暗で。
動いてたはずの車も、今は停車中。
どっかの駐車場?
公園?
いや、今はそんなこと、どーでもよくて。

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