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依存愛-彼と過ごした3000日-

第4章 再会




「結婚?」
「そう、澪、子供出来たんだって」
「長いんだっけ?」
「5年」
「…………長いね」
「うん、でね?1度優生に挨拶したいんだって」
「俺、花の親父さんじゃないけど」

スーツのネクタイを緩めながら。
複雑に表情を歪めて、優生が隣へと腰をおろす。

「大丈夫、花の彼氏に挨拶したいんだって」

優生の首に両手を絡めて。
軽く唇に触れた。

「笑われながらキスされても、うれしくない」
「えぇ、厳しいなぁ」

「花」
「うん?」
「あいつも、来るの?」
「え?」

また笑顔が、固まる。

「澪ちゃんの彼氏と、仲良いんだろ?」

『しーちゃん』

「………わかんない」
「花」
「大丈夫だよ、もう。優生が、いる。そうでしょ?もうしーちゃんのことは忘れたよ」

絡めてた腕を放して。
優生からも離れた。

キッチンにコーヒーを取りに行くふりをして。
ごまかした。

だって。
優生の目、見れない。


大好きだけど。
優生がほんとに大好きだけど。


しーちゃんは違うの。
そう簡単に、忘れらんない。


澪からしーちゃんの嘘を聞いても。
嫌いになんてなれなかった。


自分でも嫌になるけど。
どーして嫌いになれないのかな。
けっこう酷いこと、されてるのにな。


嫌いになれたら楽なのに、って。
何度も何度も思ったよ。

記憶喪失って、どーしたらなれるのかな、とか。
しーちゃんの記憶だけ、頭から消し去るにはどーしたらいいのかな、とか。

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