【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】
第5章 6月
女子高生達と打ち解けるのは早く、彼女達は桃の事に興味津々だった。
「え!じゃあ、あもーちゃん彼ピと同棲してるの?」
「うん」
「同棲ってどんな感じ?なんかだんだん一緒にいるの当たり前になってキスの回数減るって聞いた!」
「え?私はそんな事ないよ。変わらずかな、私の恋人甘えん坊だしね」
「えぇー!ラブラブ!うらやま!」
「うちの彼氏素っ気ないし、どーしたらあもーちゃん達みたいになれる!?」
蘭と園子は、女子高生達にのほほーんとしながら答える彼女に動揺を隠せないでいた。女子高生達の勢いにも動じず、梓からサービスだと貰った生ケーキをモグモグとしながらまだ会って間もない彼女達と会話している桃がとても大人に見えた。
「じゃーねー!あもーちゃん!」
「ばいばい!」
「あむぴとあずあずもまたね!」
女子高生達が店を去っていくと安室が桃に申し訳なさそうに頭を下げた。
「すみません、相手をしてもらって」
「いえいえ、可愛いじゃないですか。それに安室さんモテモテですね」
「あははは…」
「それと」
桃は、蘭と園子を見た。目が合い蘭は綺麗な子だな…と改めて思った。
「騒がしくしてしまってごめんなさい。お詫びを…あ、マジックは好き?」
「え?」
「好きです!」
首を傾げてカバンを漁る彼女に園子が食い気味で答えた。すると、2枚のチケットが差し出され、そのチケットに書かれている名前を見て園子と蘭はえぇ!?と声を上げた。
「こ、これ!黒羽様のショーのチケット!ファンクラブでも取るのが難しいってくらい超プレミアなのに…」
「しかも、来週の京都公演千秋楽の最前列…」
「良かった、喜んでくれて…そのチケット余りだから是非貰って?私と隣の席で申し訳ないのだけれど」
「あ、ありがとうございます」
「い、いいんですか?」
「お詫びです。それでは、また」
桃はそう頭を下げてお会計を済ませると帰っていく。園子がチケットを眺めて感激し、来週は京都旅行よ!と意気込んだ。