【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】
第5章 6月
「お待たせしました、アイスティーです。桃さんとは2ヶ月ぶりくらいでしょうか、大学はどうですか?」
「論文と実験ばっかです」
「確か、理学部でしたね」
「えぇ、今はバイオテクノロジーが生物に与える影響と品種改良の歴史について調べてます」
美人から出てきた難しい言葉に園子は思わず目を見開いて彼女を見た。蘭は、凄い…と関心していると安室さんが興味深そうに彼女に質問をしていた。にこやかに会話する2人だが会話内容が難しすぎて、安室ファンの女子高生達は間に入る事も出来ずにポカーンとしている。
「なるほど、化学は奥が深いですね」
「個人的には心理化学実験とか生物学の方が好きなんですけど、今回はテーマじゃないから」
「桃さんは物知りですね、僕も見習わないと」
「安室さんも十分博識じゃないですか。話の幅が広い男性は素敵だと思いますよ」
すると、またドアベルが鳴ってこの店の看板娘である梓が息を切らして入ってきた。片手にはビニール袋。ケーキのトッピングに使うフルーツを買いに行っていたのだ。
梓は、カウンターに座る桃を見て目を輝かせると安室に袋を押し付けて彼女に駆け寄った。
「桃ちゃん!」
「梓ちゃん久しぶり」
「1ヶ月ぶり?大学忙しかったの?」
「うん、大掛かりな実験をしてたから…」
「大変だね…」
ポアロのエプロンをつけ梓がニコニコと彼女と会話していると、女子高生達が「あずちゃん!」と梓に声を掛けたので梓は、彼女達に駆け寄った。
「ご注文かな?」
「違う、あの超美人だれ!?モデル!?肌めちゃめちゃキレーだし!ネイルも可愛い!どこのコスメ使ってんのかな」
「あむぴと仲良しみたいだけど彼女なの!?」
「あぁ、あの人は天羽桃ちゃん。東都大学の2年生でうちの常連さんです。なんと!去年のミス東都大で歴代最高票数を獲得し殿堂入りした凄い子なんだよ。残念ながら安室さんの恋人ではないよ」
すると、女子高生達のうちの1人が彼女に近寄った。
「あの…そのネイルどこのお店でやったんですか?」
「これ?これは、セルフネイル。自分でやったんだよ」
「えぇ!」
「凄く簡単に出来るよ、教えてあげよっか」
「やった!」
他の女子高生達も混ざり、せっかくだからと桃は女子高生達の席に写って彼女達の質問に答えていた。