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【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】

第1章 プロローグ


一瞬、視線がひとつの方向に集まり静かになる。その先には、開いた扉から黒のドレスを着た女が1人。
彼女は、ウェイターからシャンパンを受け取り、会場内へと進んで行く。彼女の美しさに惚けていた面々もハッとして、会話を続けた。

桃は、近くのテーブルまで行きシャンパンを飲みながら視線を動かしていると1人の男が近づく。

「こんばんは、お1人で?」
「えぇ…あなたも?」
「友人に誘われ来ていましたが、彼は挨拶回りに」
「あら、そう」

目の前の男――工藤新一――は、ニコリと微笑んでみせてから他の客に背を向けるように立ってグラスを口元に近付ける。

「目標は、オメーから見て左側のテラスの近くにいる」
「了解」
「ちゃんと引き連れてろよ」
「あら、私を目の前にして他の事に囚われる男なんていないわ」
「…怖ぇ女」

新一がフッと笑い、桃は「では、また」と愛想笑いを浮かべ軽く会釈をすると会場の左側奥へと進んでいく。
すると、何人かの女性と話していた少し肥満気味の男が桃の存在に気が付いて会話を止める。周りにいた女達も続いてこちらに目を向けた。

「神澤幸太郎さんでお間違いないかしら」
「あぁ…君は?」
「はじめまして、藤堂かおりと申します。私、女優を目指しておりまして…神澤事務所の社長さんがいらっしゃるとお聞きしましたのでご挨拶に」

それを聞いて、女達は顔を顰めた。突如現れた強力なライバルに敵意剥き出しの視線を送る。

「君ならどこも放っておかないだろうね」
「まぁ、お上手。残念ながら…頑張ってはいるんですがね」

口元に手を当てて可憐に微笑んだあと、目を伏せて肩を落としたが桃は神澤を見つめた。

「どこも君の価値が分からないなんて……」

神澤は、ゴクリと喉を慣らし彼女の体に視線を向けた。周りで見ていた女達も思わず、顔を赤くしその場を離れていくがそれを気にもとめず、神澤は桃の腰から胸へ、そして唇へと視線を動かしするりとその細い腰に手を回した。

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