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【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】

第3章 4月


「亡くなったのは、25歳OLの谷口涼子さん。ご友人である奈々未さんと博物館に行くためにここで昼食を取っていたら苦しみ出したと…」
「はい、涼子は明るくて良い友人でした」
「涼子さんが苦しむ前に何か口に着けていましたか?水を飲んだとか」

高木刑事が確認を取り、橋本奈々未という殺された谷口涼子の友人は目を潤ませる。
そんな彼女に新一が質問をし、奈々未が答える。それを繰り返していた。
桃は、キョロキョロと視線を動かし客の荷物チェックが始まると首を傾げ、眺めていた。

涼子がトイレに行くために席を立った時、ぶつかったのは男。口に当てるものと言えばハンカチしか持っておらず。あとは、財布と携帯のみ。バッグなどは所持していなかったし、店のゴミ箱の中身にそれらしいものはないので男はほぼ白だろう。

「どうかしたの?」

佐藤刑事が桃に聞くと彼女は、佐藤を見てニコリと微笑む。

「いえ…ただ、計画性のある殺人にしてはわかりやすいなって」
「え!?わかったの?」
「はい、でもちょっと不明な点もあるので…新ちゃん…新一はもう全部わかってると思いますよ。ね?わかったんでしょ?」
「ん、あぁ」
「本当かね、工藤くん」

目暮警部が聞くと新一はニヤリと笑って頷く。

「はい、簡単ですよ。犯行に使われたのはウエットティッシュです。涼子さんはすり替えられた自分が持っているウエットティッシュで口を拭いたんですよ。だから、テーブルの上にあった彼女の席側にあったナプキンもおしぼりも反応がほとんどなかった。彼女が使ったものは自分のゴミとまとめて自分の席側に…そう、涼子さんが普段使っているものを知っていて、すぐ側にいなければこれは出来ないんですよ。そうですよね?橋本奈々未さん」

奈々未が目を見開き、震える。

「あなたが持っていたウエットティッシュとテーブルにあるあなた側の丸められたナプキンの中身を調べた ら出てくるんじゃないですか?涼子さんを殺した青酸カリの反応が」

奈々未はその場に崩れ落ちた。殺人の動機は恋人を奪われたからだ。桃は、ため息を吐いて手錠をかけられる奈々未を見つめていた。
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