【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】
第3章 4月
「涼子!!涼子!どうしたの!?」
悲鳴があがり、倒れた金髪の女性に駆け寄るのは一緒に食事をしていた黒髪の女性。
新ちゃんが駆け寄って、倒れた女性に触れた。
近寄ると口から血を吐き、口元が爛れていた。
「青酸カリね」
「あぁ、多分……料理、飲み物、あとは食器とかおしぼりだな」
「お、お客様?」
「警察を呼んでください、それと誰も外に出さないで殺人が起きました」
新ちゃんが真剣な顔でそう言うと、店員は目を見開き頷くとレジカウンターの方へと駆けていく。
私は、死んだ女性が座っていた席をもう一度よく見た。
食べかけのハンバーグ、おしぼりは袋から出されていたが綺麗なまま。飲みかけの水の入ったコップには、変色も匂いもない。
「どうかしたか?」
「ん?口の爛れ方からして、口の周りについたと思うから食べ物やスプーンとから有り得なさそうだし。液体であるドリンクに混ぜたと思ったんだけど、飲み物には変な匂いはしないし、おしぼりも汚れた形跡がないから口は拭いてないっぽいし。手を拭いて手を口に持っていったとしたら手全体が爛れてなきゃおかしいもの。あ、でも指先が少し赤かったな…ナプキン?でもそれらしいゴミはないし…」
「犯人が捨てたか…隠し持ってるか…」
「捨てたならすぐ見つかるはず。それにあの人1度しか席を立っていなかったぽいし」
「だとすると、犯行を行えるのは1度席を立った時に接触した人、店員、一緒に食事をしていた人になる」
新ちゃんが真剣な顔をして、顎に手を当てる。少しすると、パトカーの音が聞こえて警察が入ってきた。
「工藤くん!」
「目暮警部、こんにちは」
「あなたが目暮警部ですか、新ちゃんがお世話になっています」
「君は…」
「工藤新一の助手をしております」
そうにこやかに挨拶すると目暮警部さんとその部下は、挨拶を返してくれた。
新ちゃんが状況を説明し、事情聴取とコップや料理の鑑識が行われる。