【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】
第3章 4月
大学近くのファミレス。映画を見る前に昼食を食べようと立ち入ったこの場所で新一は、料理が来るまでの間目当ての映画の上映時間を確認していた。
すると、クスリと笑う声が聞こえて顔を上げれば桃がスマホの画面を見せてきた。
「快斗がこれから撮影だーだって」
今頃、雑誌の撮影をしている快斗からのLINE。自分のスマホにも通知があったので3人のグループである『あっとほーむず』のほうに送られているのだろう。新一は、画面を見て苦笑した。
「緊張なんかしてねぇくせに」
「とりあえず、頑張れー!って送ったら可愛いスタンプ送ってきたよ」
「なんであいつのスタンプは、全部乙女チックなんだよ」
2人であはははと笑って、新一はコーヒーを飲んだ。
「映画、1時間半後だと」
「食べて移動したらちょうどいいかな」
「だな、このファイルNo.5ってやつだろ?」
「そー、ドラマ超面白かったんだよ!凶悪犯罪のお話なんだけどミステリー要素強めだから新ちゃんでも楽しめると思う」
「お前が恋愛ドラマ以外観るなんて珍しいな」
「出てるキャスト豪華なんだよ。人気俳優とか大御所とか…蒼井裕太っていうイケメン俳優が主役なんだけどアクションシーンとかもうめちゃくちゃかっこいい」
そう熱弁していると料理が運ばれてきた。桃がオムライス、新一がカルボナーラだ。
いただきますと合掌し桃は、スプーンを手に取って1口食べると顔を綻ばせる。
「卵ふわふわ、美味しい」
「1口寄越せよ」
「ん、あーん」
桃から貰ったオムライスを少し咀嚼したあと、新一はお返しにカルボナーラを1口分巻いたフォークを彼女に差し出す。
「あ、カルボナーラも美味しいね。まろやかだけど胡椒がきいてて…」
「だろ?」
すると、桃は斜め前のボックス席に座っていた黒髪の女性がウエットティッシュを鞄から出し、1枚取り出すと残りはカバンに戻して取り出した1枚で口を拭いた。ファミレスのおしぼりを使いたくなかったのだろうか?と深く考えずに食べる事に集中した。
少しして、新一と桃も食べ終わり飲み物を飲んだら映画館へ向かおうとしていた時。斜め前のボックス席に座っていた先程の黒髪ではなく金髪の女性の方が突然、苦しみだし倒れた。