【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】
第3章 4月
【プロローグのあと】
「こちらのトランプの束の中からお好きなものを1枚選びください」
サッとトランプがなめらかな動作で広げられる。桃は、その中から1枚のカードを引くとマッキーを差し出される。
「では、そのカードに絵でもお名前でもお描きください」
「りょーかい」
キュッ!とハートのAに彼女は、可愛らしいうさぎの絵を描いて快斗に差し出すと彼は不敵に笑った。
「今からこのカードに上に上がってしまう魔法をかけます」
快斗は、カードにキスをすると束の真ん中あたりにカードを差し込みと指を鳴らした。
「私が指を鳴らすと、あなたが選んだカードが1番上に…」
1番上のカードをめくるとうさぎの絵が描かれたカードが。桃は、目を瞬かせる。
「え!?」
「次は、一番下から」
絵が描かれたカードを一番下に置いて、指を鳴らすとまた1番上に絵の描かれたカードが。
そして、今度はそのカードに折り目をつけて1番下に置き指を鳴らす。すると、まるで浮かび上がったかのように1番上に折り目のついたカードが。
「凄い!かっこいい!」
「今度のショーでやるんだけど、どーだ?」
「良いと思うよ!みんなびっくりだね」
そんな2人を新一と安室は、微笑ましげに見つめていた。新一は、コーヒーを1口飲むと真剣な顔をして安室を見た。
「それで、カルーアはどうなりました?」
「今は公安の監視下で尋問中だよ、中々口を割らないから困っている。元々、組織の中でもかなり厄介な奴だったからか行方を探せっていう命令は来ていない。新一くん達には感謝しているよ」
「そのカルーアっていう人、裏幹部的な存在の人なんですよね?新ちゃんがちっちゃくされた組織の」
快斗のマジックの練習相手が終わり、桃は後ろから新一の肩に手を回して安室に問いかける。
「みたいだね、本当君には辛いことをさせてしまった」
すまないと安室は、申し訳なさそうに眉を寄せた。
が、しかし桃は特に気にした様子もなく新一の頬をつまみ上げた。