第3章 別れ
夏海「..寺島さん?」
寺島「俺、不安だった..声優なんて厳しい実力社会を生き抜いていけるか、声優になれるかさえ、すっげー不安だった..。でも..夏海ちゃんが元気くれて、今こうやって声優になりたいって言ってくれて..俺、救われた気がして...」
私だって寺島さんに救われましたよ、むしろ私がお礼をたくさん言いたいのに..
寺島「上京したくなかった。自分が行くって決めた道なのに、急に不安になってた。でもね、夏海ちゃんが追いかけてくれるんだから俺しっかりしないと..夏海ちゃんと2人で声優になりたい。一緒に声優になりたい!!だから...もう迷わないよ...自信持って東京に行けるよ...。だから...ありがとう..本当に...」
夏海「寺島さん..」
寺島さんはずっと私を抱きしめたまま『ありがとう』って言ってくれた。私も2人で一緒に声優になりたいです。もう、進むって決めたから。
私は泣き止むまで寺島さんの背中を優しく撫で続けた。