第3章 別れ
夏海「美味しい!」
寺島「そう?よかったー!」
寺島さん自信ないとか言ってたけど美味しいですよ。私も一応できるけど、寺島さんの方が上手なんじゃ...
寺島「うーんお腹いっぱい!──もう、こうやって楽しく話すこともないんだね...」
夏海「...」
寺島「...あぁごめん!なんか悪い空気にしちゃって。夏海ちゃんと話すの楽しいからさ、もっと話していたいなって...」
夏海「──寺島さん!」
私は少し大きめの声で言った。寺島さんはビックリ。
夏海「わ、私──声優目指します!」
寺島さん、さらにビックリ。
夏海「私、やっと見つけられたんです!自分がやりたいこと..。寺島さんのおかげで見つけられたんです!寺島さんが目指してる声優、素敵なお仕事なんだろうなって...追いかけようって決めたんです!だから...私もう迷いません!真っ直ぐ突き進みます!!」
寺島「夏海ちゃん..」
夏海「..あっ、ごめんなさい!...っ!」
寺島さんは私を強く抱きしめた。
夏海「てっ、寺島さん!?」
寺島「──ありがとう」
夏海「え..?」
寺島さんの声は震えていた。肩に顔をうずくめられ、寺島さんがどんな顔をしているのかは見えない。だけど、背中の震えで泣いているのはハッキリ分かった。