第2章 声優
寺島「俺、元々なりたい職業とか全然なくてさ。ほら、俺そんなに頭も良くないし。」
夏海「そ、そうなんですか...」
寺島「ふふっ、眼鏡かけてる人は頭良いって固定観念、ある?それとも俺には眼鏡、合わなかったりする?」
夏海「いえっ!そんなことは...」
寺島「じゃあ、似合ってるんだ?」
夏海「あ、あの...」
寺島「...どうなの?」
夏海「に、似合ってます...」
寺島さんは俯いた私の顔を覗き込みながら、少し意地悪にきいた。
──やばい、今の私、絶対に顔真っ赤だ...
寺島「..なんか、夏海ちゃんに言われると嬉しいな。──それでね。俺、昔からアニメとか好きで、よく見てるんだ。」
──寺島さんも、アニメ好きなんだ。
今まで知る由もなかった共通点に、私はビックリ。
寺島「まぁ隠してるわけじゃないし、みんな知ってるんだけどね。──ある日、今はもう上京して大学に行ってる演劇部の先輩に声をかけられたんだ、一緒に帰らないか、って。」