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声優目指します~寺島拓篤さんを追いかけて~

第2章 声優


 
───時は過ぎて1月。
もうすっかり冬だな...マフラーが欠かせなくなっている。

そんなある日。



寺島「あ、夏海ちゃん!今帰り?」

夏海「あ、寺島さん」


今日は美香は委員会で残るから1人で帰る予定だった。

寺島さんとは校内でちまちますれ違ったりして挨拶ぐらいはしてたけど、冬休みもあったし最近は会ってなかった。


夏海「お久しぶりです、寺島さん」

寺島「ほんと!どう?あれから。」

夏海「特になにも。毎日平和ですよ。寺島さんは?」

寺島「俺も平和。もうすぐ卒業だしね。」

夏海「あ...」


そうか、あと2ヶ月ぐらいで卒業なんだ。寺島さんと会えなくなるんだ...


寺島「あ、もしかして俺がいなくなっちゃうの悲しい?」

夏海「そ、そんなっ!...悲しくないっていったら嘘になりますけど...」

寺島「ははっ、俺も悲しいよ。もう夏海ちゃんと会えなくなっちゃうの」

夏海「えっ...」


やっぱ慣れないな、寺島さんがさらっと恥ずかしいこと言っちゃうの...いや、これが普通なのかな...私が異常なだけ..?


寺島「あ、そういえば1人?よかったら久しぶりに一緒に帰らない?」

夏海「あ、はい!」

寺島「っ!....」

夏海「...寺島さん?」

寺島「あ、あぁ、ごめん。帰ろうか。」

夏海「はい..」


寺島さん、顔赤かった。私、特になにもしてないけどな...。



生徒「あっ!おーい拓篤ーーー!」

寺島「おっ大樹じゃん!お前も帰りか!」


大樹と呼ばれたその人は、話を聞いている限り寺島さんと同じクラスらしい。


大樹「拓篤、一緒に帰んね?俺、今日1人なんだよねー」

寺島「ごめん、先約いる!」

夏海「て、寺島さん、いいですよ私なんか...」

大樹「えっ!?なになに?彼女?」

寺島「そ、そんなんじゃっ...!」

大樹「あれっ、拓篤顔赤いぞっ」

寺島「そっ、そんなことないって!!」

大樹「照れてんじゃねーぞこのやろー!!」

寺島「うわっ!み、見るなぁーーーー!!」


仲いいな、ほんと。こりゃ私が1人で帰った方がいいかなー...
 
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