第8章 大人の魅力
<主side>
それからわたしたちは
店を出て、それぞれ
タクシーに乗り込んだ。
入野さんはちゃんと歩けてたけど
神谷さんはほんとにお酒が弱いらしく、
歩くのも持山さんの肩を借りてやっとだった。
持山「それじゃ!吉岡さん!
今日はありがとうございます!
神谷さんをよろしくお願いしますね!」
主「はい!ありがとうございます!
入野さん、また明日迎えに行きますね!」
入野「はいはーい、おやすみ〜」
入野さんは少しふてくされているようだった。
神谷さんと帰るのが、嫌なのかな。
挨拶を済ますとタクシーが
発車した。
車内では神谷さんはもう眠っていた。
神谷さんの家に着くときには
起こさなきゃ。
居酒屋から神谷さんの自宅へは
だいたい20分くらい。
その間わたしは今日持山さんから学んだことなどを
思い返していた。
今日は色々勉強にもなったし、良かった。
神谷さんが起きたらちゃんとお礼言わないと。
神谷さんの自宅近くになったので、
わたしは神谷さんの体をゆすり、
起こそうとした。
主「神谷さん、起きてくださいっ
もうおうち着きますよ?」
神谷「ん〜、、
ん?吉岡さん?」
主「はい、吉岡です。
もう家着くので、起きてくださいっ」
神谷「あれ?自由と持山くんは?」
主「覚えてないんですか?
方向がわたしの方が神谷さんと一緒だったので、
こういう乗り合わせになったんです。」
神谷「へ〜、そうなんだ、、、。」
主「あ!運転手さん!
ここで1人降ります!」
タクシーをとめ、
神谷さんが降り、帰ろうとする。
でもフラフラで全く歩けていない。
流石にこのまま部屋まで一人で行かせるのが
不安、、、。
他の事務所のタレントさんだしなおさら、、。
わたしは運転手さんに
自分もここで降りると言い、
神谷さんに肩を貸して
家の前まで運ぼうと思った。
主「神谷さん、部屋何号室ですか?」
神谷「〇〇号室だよー」
神谷さんは足元もおぼつかなく
わたしは半分神谷さんを引きずるように
エレベーターに乗せた。
目的の階に着き、
神谷さんに鍵を受け取り、
部屋を開け、玄関先に神谷さんを下ろした。
するとふいに腕を引かれ、
神谷さんの体に吸い込まれた。