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気まぐれ中・短編集【ONE PIECE】R18

第1章 ローがCPの一員だったら※


騙すために始まった恋は、いつしか本物の恋になっていた。

(このオレが……こんなにもアイツを愛しいと思うとはな…)

ローは自嘲気味に笑った。彼女のためなら、このサイファーポールでの野望も捨てられる。また別のやり方を考えればいい。そう思えるほどに、ローの中でレイラの存在は大きくなっていた。


できるなら、遠くへ逃げて欲しい。そう自分の元から去った彼女を思った。だが、彼女の足で逃げられるところなんて、たかが知れていた。

…ドンっ!

「す、すみません…!」

「あら、こんなとこに迷い込んだのね、子猫ちゃん。」

その声に、レイラは恐る恐る顔を上げた。

……!

目の前に、白い服を着た女が立っていた。

「…あ…」

(白い服…)

逃げる間もなく、その女の拳がレイラの腹部に入り、レイラは気を失った。手足を縛り上げられる。

「まったく…いつまで泳がせとくのかしら、ローは…」

溜息混じりに言葉を吐き出すと、電伝虫を取り出した。

「対象者確保したわ。」

「…始末しろ。」

「了解。」



「…ん…」

背中から伝わる硬さと、冷たさに目を開くと、周りにはたくさんのコンテナや樽が積み上げられていた。

(ここは……どこ?)

レイラは記憶の糸を辿る。

(私、女の人に…ぶつかったような…?彼女は白の服を着ていたような…あの人は…誰?何かの組織の人間なの?)

色んな考えが頭の中を巡った。手足を動かすも、後ろに縛られている。声も出せないよう、口も塞がれていた。頬を伝う大粒の涙が、土の地面を濡らした。

「お目覚めのようね。わたしはステューシー。ローと同じサイファーポールよ。」

「……んん」

「あら、ごめんなさい、今取ってあげる。」

ビリッと剥がされたテープ。

「ローは…サイファーポールの人間なの?」

「あら、知らなかったの?全てあなたを捕らえるための芝居だったのよ!」

銃口を向けられた時だった。ローが飛び込んできた。

「やめろ、ステューシーっ!!」

「あら、ロー。あなたの代わりに捕らえておいたわ。」

「勝手なことすんじゃねェ。こいつはオレの玩具だ。どう始末するかは、オレが決める!」

(……始末…玩具…?!)
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