第1章 ローがCPの一員だったら※
ローは、ある野望のため、諜報機関サイファーポールに海賊という素性を隠し、潜入した。暗殺、天竜人の警護…など反吐が出るような仕事にも、野望のためならばと耐えていた。
ある時、ローは一つの暗殺依頼を受けた。同じサイファーポールのロブ・ルッチや、カクは、ガレーラカンパニーに潜入中のため、一人で任務を行うことになった。
その依頼とは、"虹色の瞳を持った女を始末しろ"というものだった。漠然とした特徴しかわかってない。髪の色や肌の色も、年齢さえも。だが、調査をするうちに、案外近くにいることがわかった。彼女がいたのは、シャボンディ諸島のある酒場だった。
ローが立てた計画は、彼女の"恋人"になること。
様子を伺い、酒場に出入りしているそこそこの海賊に、ある程度の金額を支払い悪役をやらせることに決めた。
偶然を装い自分は、襲われている彼女を助ける。
そこから何度も偶然を装い、運命の出会いと思わせ、彼女の気を引く、というもの。
ローの容姿なら、大抵の女はすぐに落ちるからだ。
「なぁ、この後俺と遊ばない?ねーちゃん。」
いやらしい笑みを浮かべながら、男はレイラの手を掴んだ。
「……やめてくださいっ!」
振り払おうとするも、強い力で掴まれていてレイラの力ではどうにもならない。思いっきり、身体を捻った。すると、持っていたお酒が男にかかってしまう。
「何すんだ!てめぇっ!」
男は怒って、レイラを殴ろうと拳を振り上げた。
「申し訳ありません、弁償させてください!」
ペコペコと頭を下げるが、酔って怒りが頂点に達している男は、聞き入れなかった。レイラの髪を掴み、乱暴に立ち上がらせ、拳を振り下ろそうとしたその瞬間。
「ROOM……シャンブルズ!」
ローがレイラを助けた。
「やめろ。この女は、謝ってるだろうが!やめる気がねェんなら、オレが相手してやる。来いよ…!」
金を払ってるとはいえ、容赦なくバラす。
「うぁぁっ!コイツ危ねぇ!」
「……大丈夫か。」
「ありがとうございます。」
女のこぼす涙の美しさと笑顔の美しさに、不覚にも、心臓が跳ねるのを感じた。