• テキストサイズ

気まぐれ中・短編集【ONE PIECE】R18

第4章 不思議な果実


先に船に戻ったレイラは、部屋に入り、手に持っていた実を眺めた。

可愛らしいその実が、自分を食べてみて、と訴えてきていたのだ。

見た目からして美味しそうだ。

(一口くらい、味見してみても……)

そう思って、レイラは一口その果実をかじった。

「……」

見た目とは違い、味は美味しくなかった。
(不味い…)

美味しくはなかったが、かじってしまったから、全部食べないといけないと思い、全て食した。

すると、身体に異変が起きる。

(…なに?身体が…熱い……)

すると、彼女の身体はだんだんと小さくなり……

自分に起きた異変を確認しようと、鏡の前に立った。

鏡に映った自分を見たレイラは、その姿に驚愕する。


(えー!犬になってる!!!)

鏡に映っていたのは、耳が垂れて、毛がフサフサした小さな犬。

瞳の色に変化はないがあまりにも違う外見に、周りの人に気づいてもらえないのではと不安になった。

彼女が食べたのは、どうやら悪魔の実のようだ。

海に嫌われし悪魔の実。

その時、ノック音が聞こえてきた。

「レイラ、俺だ。」

扉を叩いてきたのはキッドだった。

(どうしよう!)

「……」

「……おい、レイラ?いねぇのか?」

「……」

聞こえてこない返事に、キッドは扉を開けることにした。

「……開けるぞ。」

ガチャッと開けた先には、彼女の姿はなかった。

「……?どこいった?」

再び扉を閉め、船内を探すが、見つからない。

船を降りた形跡もない。

突如姿を消したレイラ。

キッドは再び彼女の部屋の扉を叩いてから、開けた。

「……いねぇ…」

愕然としていると、足元に小さな犬が寄ってきた。

「…は?犬?なんで?」

しばらく足元を見ていたが、ふとその犬を抱き上げる。

「小せぇ……」

喉元を撫でると、ゴロゴロと喉を鳴らすそのあまりにも可愛らしい姿に、キッドの険しい顔も綻んだ。

はぁ……とため息をついて、犬を抱いたまま彼女の部屋の入口に座り込む。

「どこいっちまったんだよ…」

犬の顔と自分の額をくっつけ、呟くキッド。

よくよくその犬の顔を見ると、大きな目の色が碧色だ。

「……もしかして、お前…レイラか?」

「……クゥーン…」

「そうなのか?」

「……キッド……さん…」
/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp