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気まぐれ中・短編集【ONE PIECE】R18

第4章 不思議な果実


それを確認すると、キッドは立てないでいるレイラを軽々と抱き上げた。

「お前…軽いな…もっと食えよ。」

「…えっ?!キッドさん!ちょっと、下ろして!」

「うるせぇ!腰抜かして立てなくなってたのは、どこのどいつだ。」

「でも、歩けます!!下ろしてッ!」

「黙れよ……黙らねぇとキスするぞ!」

レイラは、ワケありでキッドの船に乗っているだけで、キッドの女ではない。
彼女には、きちんと海賊の恋人がいるのだ。
だから、キスなんかされたら、たまったもんじゃないと押し黙った。
キッドにしたら、騒いでくれた方が、キスする理由ができてよかったのだが。



キッドに抱えられたまま来た道を戻り、集まっているクルーの近くで下ろされる。

「キッドさん…さっきはありがとう。」

「……いや、悪かったな、あんな脅すようなこと…」

そう言ってる途中で、レイラがキッドの服の裾を引っ張った。

「ん?なんだ。」

「ちょっと屈んでください。」

言われたとおりに彼女の目線の高さまで屈むと、服の襟元を引っ張られ……

「……チュッ…!」

「……!!!……」


キッドは固まってしまった。
頬に感じた、彼女の唇の柔らかさと、ふと近づいてきた時の甘い香りにクラクラした。

「…な…なんてことすんだよ…ッ!」

顔を赤らめたキッドは、動揺し、目が泳いでいる。

「…お礼です。」

(このくらいなら、許してくれるよね……)

彼女の顔も真っ赤になっていた。

「……お……れい……」

まだ固まったままのキッド。

心臓がうるさく鳴っているのがわかる。

「先に船に戻ってますね。」

「…あ?あぁ……」

(参ったな……理性失いそうになるじゃねぇか…)

しばらく放心状態だったが、キラーに正気に戻されたキッドだった。
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