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気まぐれ中・短編集【ONE PIECE】R18

第4章 不思議な果実



「……レイラ!?お前もしかして……悪魔の実食ったのか?」

「…さっきの可愛らしい実を食べたらこんなことに……」

「なにやってんだよ……!」

そう言って、キッドは犬の姿の彼女を優しく抱きしめた。

「ごめんなさい。」

犬になったレイラの頭を撫でるキッド。

(この姿でも可愛いが、やっぱりお前は……!)

「気づいてもらえないかと思いました……あの、キッドさん、元に戻ってもいいですか?」

犬であってもじっと見つめられると、引き込まれそうな程に、彼女の瞳は綺麗な碧色だ。

その瞳を合わせないように、キッドは目線を逸らして言った。

「……ダメだ……いま、俺の前で元に戻ったら俺はお前を押し倒しちまう。やめとけ。いまお前がこの状態だから辛うじて理性を保ってられる。お礼だなんて、あんなことすんじゃねぇよっ!」

「…じゃあ、キッドさんが部屋に戻ったら、私元に戻ります。」

「…そうしてくれ。」

そう言うと、キッドは彼女をベッドに放し、レイラの部屋を出ていった。

夜中、キッドとキラーの二人は、キッドの部屋でお酒を呑んでいた。

「…眠れないか、キッド。」

「…あぁ。レイラといると、どうも調子狂っちまって。フッ…俺とした事が、情けねぇな…」

「まぁ、わからなくもない。」

「アイツの気持ちが俺に向くことはないんだろう。」

「珍しく弱気だな。でも、無理強いはしたくないってことだろ?」

「嫌われたくはないな。アイツの男って誰なんだ…」

そう呟いて、一気に酒を飲み干した。

「知らない方がいいかもな。」

そう言って、キラーもまた一気に酒を飲み干し、二人はしばらく語らっていたが、いつの間にか眠りに落ちていた。

この後、彼女はある島で船を降りる。
その後、二人が再び出会う時には、お互い敵同士だ。
淡い恋心を胸の奥にしまい込んで、キッドは新世界の航海へと突き進んで行くのだった。
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