第4章 生徒会
1つ上の岡田先輩は現生徒会長で。
中学の時も生徒会長をしていた人だ。
謙虚で真面目で優しくて努力家で。
生徒からも教師からも信頼されていて。
そんな人が、中1で生徒会に入った俺のことを何故か気に入ってくれて。
岡田先輩の跡を継いで会長になった後も色々気に掛けてくれて、中学の3年間とにかくお世話になった。
先輩は高校でも生徒会活動を続けていて、俺が高校に上がった時にも誘ってくれた。
でも当時の俺は忙しさに疲れていたから、とりあえず1年は休みたいと伝えた。
先輩はイヤな顔もせずに「ゆっくり休めよ」なんて言ってくれて、「来年待ってるぞ」って肩を叩いてくれた。
待っててくれる人が居るということは単純に嬉しくて。
大変だけれど生徒会の仕事自体は嫌いじゃなかったから。
この時点では俺も2年生になったら生徒会に入るつもりだったんだ。
でもこの1年の間に事情が変わった。
入学式の日に恋に落ちた俺は、紆余曲折を経て一目惚れの相手であるカズと交際をスタートさせることが出来た。
誰よりも何よりも大切なカズ。
俺にとって最優先されるのは当然カズで。
生徒会なんて入ったら大切なカズとの時間が大幅に減ってしまうのは目に見えている。
そんなのは耐えられない。
だから待っていてくれた岡田先輩には申し訳なかったけれど、2年生になってすぐ再び勧誘された際にきっぱり断った。
………はずだったんだけど。