第3章 誕生祝い to Jun
潤が行きたいというカフェに入って。
席に着いて落ち着くと、潤はバングルをはずしてマジマジと眺め出した。
「これ、智の手作り…だよな?」
「…うん///」
「マジですげー!売りものにしか見えない!いや、既製品以上だな!」
「そんなことないよ…///」
あまりにも“すげー!すげー!”と連呼されるから、嬉しいけどそれ以上に恥ずかしい。
でも子どもみたいに無邪気に褒めてくれてるのに水を差すようなことも言えなくて。
じっと恥ずかしさに耐えながら潤の様子を見ていたら、バングルをくるっとひっくり返した潤の視線が一点で止まった。
そこには潤の誕生日と俺たちのイニシャルが刻まれているはずで。
急に無口になって照れたようにはにかむ潤から喜んでくれているのがひしひしと伝わってきて。
恥ずかしさに負けずに頑張って良かったなーって素直に思えた。
「智は本当にすげーな!器用だし、センスも良いし!」
「褒めすぎだよ…///」
「翔の指輪とは雲泥の差!」
ひとしきり感心した潤が、ちょっとだけ意地悪な顔をして笑う。
「もう!そんなこと言ったら翔くんが可哀想でしょ!」
「うそうそ…分かってるって」
本気で言ってないのは分かるけど一応窘めたら、潤もすぐに撤回して。
「翔がどれだけ真剣に頑張ったかも知ってるし。どんなに不格好だって、ニノにはあの指輪以上の贈りものなんてないもんな。俺にとってこのバングルが一番嬉しいのと同じでさ」
すごく優しい顔してさらりとそんなことを言うから、またカーッと顔が熱くなった。