第3章 誕生祝い to Jun
ザワザワと賑やかになって、周りの人たちが動き出す中。
潤はびっくり顔のまま、自分の手首を見つめたまま微動だにしない。
潤の視線の先…
潤の手首にはめたのはシルバーのバングル。
…その…俺の手作り///
翔くんが指輪を作ってるのを見てて、シルバーアクセサリーに興味がわいて。
俺も作りたくなったんだよね…潤に。
でも俺には指輪をプレゼントだなんて小っ恥ずかしくて無理で。
潤に似合いそうなものを考えた結果、バングルに落ち着いた。
少し太めのデザインにして、表には槌目模様だけつけてシンプルに。
裏には今日の日付と、潤と俺のイニシャルを入れた。
それだって恥ずかしかったけど…記念になればいいと思って頑張ってみた。
「智…これ…」
やっと口を開いた潤はまだ動揺してるみたいで。
とりあえず驚かせることは成功したかな?
「サプライズプレゼント…びっくりしてくれた?」
「…した。…かなり」
見れば分かることでも言葉にしてもらえると嬉しい。
「とりあえず出よ」
気がつけばもう残ってるのは俺たちだけで。
いつまでもここにいる訳にはいかないのに、潤はまだどこかぼーっとしてるから。
繋いだままの手を引っ張るようにして映画館を後にした。