第3章 誕生祝い to Jun
でも潤は俺が赤くなってることに気付いてんだか、気付いてないんだか。
「まさか智がサプライズしてくれるなんて想像もしてなかったから、すげー驚いたし、すげー嬉しい」
マイペースにまたバングルを手首にはめると、愛しそうに指先でそっとその表面を撫でた。
「智の想いが詰まってるのが分かる…本当にありがとう。大切にするな」
まるで宝ものを見るようにバングルに向けていた視線をそのまま俺に移して、潤はまっすぐに気持ちを伝えてくれるけど。
俺はその言葉以上に表情に釘付けになってしまった。
だって、これだから…
俺の見たかった顔。
あの時のニノと同じ、幸せが内から滲み出してるみたいにキラキラした満面の笑顔。
俺にも出来た…
俺も潤のこと、幸せに出来たんだ…
そう実感したら、びっくりするくらい嬉しくなって。
安心したからか大切な言葉を言い忘れていたことに気が付いた。
やっぱり緊張してたんだな。
一番最初に言うべきことをまだ伝えてなかったや。
今さらかもしれないけど、心をしっかり込めて伝えよう。
「潤、誕生日おめでとう」
脈絡のない突然のお祝いの言葉に、潤は一瞬目を丸くしたけど。
「ありがとう」
すぐにその笑みを深くしてくれた。
こちらこそありがとう。
俺もすごく幸せだよ。
初めてのサプライズは大成功だ!