第2章 誕生祝い to Nino
翔ちゃんは笑顔のまま俺の頭をぽんぽんと撫でると、俺を抱き締めてた腕を緩めた。
「あ…」
そのまま離れていく翔ちゃんを見てたらつい声が出ちゃって、慌てて口をつぐむ。
不思議そうに俺を見た翔ちゃんには、首を横に振ってなんでもないって伝えた。
だって本当に何でもない。
ただ翔ちゃんが離れていくのがさみしかっただけなんだもん。
本当はずっとくっついていたい。
ずっと翔ちゃんの腕の中にいたい。
でも学校行かなきゃだし。
こんなところでいつまでも抱き合ってるわけにはいかないから仕方ない。
これ以上翔ちゃんを心配させないように笑顔を作ったけど、内心ではしょんぼりしてたら、翔ちゃんがそっと手を差し出してくれた。
反射的にその手を掴んだら、翔ちゃんはそのまま俺の手を引いて歩き出した。
もしかして、俺がさみしいと思ってたの分かっちゃったのかな?
ちらっと翔ちゃんを見たら、にっこり笑ってくれて。
自然と俺も笑顔になる。
翔ちゃんの笑顔と手のあったかさで、さみしさなんて一瞬で消えてしまった。
いつだって当たり前みたいに俺のことを守ってくれる翔ちゃんは、今もいつの間にか体の位置を入れ替えて車道側を歩いてくれてて。
さりげない優しさに胸がキュンキュンする。
本当に王子さまみたい…
俺の、俺だけの王子さま…///
どうしよ、トキメキすぎて胸が痛いよ。
すき…
すき…
だいすき…
また好きな気持ちが大きくなってく。