第2章 誕生祝い to Nino
「危ないなぁ」
けっこうギリギリだったのに、謝りもせず走り去っていった自転車を、翔ちゃんはすごい目で睨んでたけど
「カズ、大丈夫?」
すぐに心配そうな顔になって俺を覗き込んだ。
「だいじょぶ…翔ちゃんが守ってくれたから…」
いろんな意味で心臓はドキドキしてるけど。
大丈夫だよって伝えたら、翔ちゃんは安心したように息を吐いた。
また翔ちゃんに心配かけちゃった…
いくら翔ちゃんがカッコいいからって、見惚れすぎてその翔ちゃんに迷惑掛けちゃダメじゃんね。
「ごめんね…」
「なにが?カズは謝るようなこと何もしてないよ?」
申し訳なくなって謝ったら、翔ちゃんは心底不思議そうな顔をした。
「だって俺がぼんやりしてたせいで翔ちゃんに迷惑かけちゃったから…」
「迷惑なんかじゃないよ。カズを守れるのは俺の特権でしょ?」
真面目に反省してたのに、キラキラの笑顔でさらりとそんなことを言われて。
カーッと顔が熱くなる。
もうもう!
反省したばっかなのに、またときめいちゃうよ…///
「…ありがと、翔ちゃん///」
「どういたしまして」
たぶん赤くなってるであろう顔を見られるのはちょっと恥ずかしいけど。
それでもちゃんと目を見てお礼を伝えたら、今度はにっこり笑ってくれた。