第2章 誕生祝い to Nino
-Oside-
まさに夢の国って言葉がぴったりなどこか幻想的な空間で。
しっかり抱き合う2人はまるで物語の中の王子さまとお姫さまみたいだった。
ニノの指にはキラキラ光る指輪。
その目はまだ涙で濡れているけど、幸せに満ち溢れた笑顔を見せるニノに、心の底から安心する。
昨日はどうなることかと思ったけど。
翔くんのサプライズは大大大成功。
めでたしめでたしのハッピーエンドだ。
正直、翔くんの不器用さは俺の想像以上でとにかく大変だったけど。
ニノのこんな顔見れたら全部帳消しだよ。
頑張って良かった。
手伝っただけの俺でさえそう思うんだから、翔くんの感慨もひとしおだろう。
幸せのおすそ分けをしてもらったようで俺の胸まであたたかい。
そしてそれは俺だけじゃなくて、きっと潤も雅紀も風間も同じで。
みんなすごく優しい顔をしている。
雅紀なんて感動したのか、はたまたもらい泣きか、涙目になって鼻を啜ってて。
それに気付いた風間がすかさずティッシュを差し出してやってた。
「めでたしめでたし…だな」
まるでプロポーズのようなワンシーンをしっかり動画に収めていた潤が、スマホをしまいながら面白そうに呟く。
きっと潤も物語のハッピーエンドみたいだって思ったんだろうな。
同じことを考えてるって思ったら何だか嬉しかった。