第2章 誕生祝い to Nino
-Nside-
頭も心もフワフワしてる。
これ…夢…?
そろそろと左手を目の高さまで持ち上げてみると、薬指にぴったり嵌った指輪が光を反射してキラキラ輝いてる。
右手で触ってみれば確かな感触。
どうやら夢じゃないみたい…
昨日翔ちゃんからプレゼントを用意してるって教えてもらって。
智に頼ったって聞いた俺は、勝手に絵を描いてくれたんだと思い込んだ。
絵なんて嵩張って荷物になるし。
今日の翔ちゃんのバッグはいつもと同じもので。
とても絵を隠せる大きさじゃなかったから、サプライズは今日じゃないんだって思ってた。
そんな油断しまくった状態で、突然プレゼントをもらって。
中には指輪が入ってて。
予告されてたサプライズなのに、しっかりがっつり驚いていたら。
「それ、俺が作ったんだ…」
更なるサプライズが待っていた。
翔ちゃんの手作り?!
え?!指輪って作れるものなの?!
驚きすぎて呆然としちゃって。
ほとんどリアクションをとれずにいたら、翔ちゃんにそっと左手を取られた。
「カズが好きだよ、大好きだ。これからもずっとずっと一緒にいてください」
指輪を嵌めてもらいながら、まるでプロポーズみたいなセリフを囁かれて。
胸がキュンキュンしすぎて苦しい。
こんなロマンチックな場所で、目の前には王子さまみたいな翔ちゃんがいて。
もしかして俺、お姫さまだったのかな?
ボンヤリした頭でそんなバカなことを考えてしまった。