第2章 誕生祝い to Nino
沈黙の長さに不安になって、俯いてしまってるカズの顔を覗き込んでみたら、薄暗い中でも分かるくらいほっぺたが赤くなっていた。
驚いてはいるけど、引いてはなさそうだ。
ホッと息を吐いたら、緊張でガチガチになっていた肩から力が抜けた。
「それ、俺が作ったんだ…」
自分で言うのは何だか気恥ずかしいけど、やっぱり知ってほしくて。
そう告げた瞬間…
「えええっっ!!?」
カズが素っ頓狂な声を上げた。
こぼれ落ちちゃうんじゃないかって心配になるくらい目を大きく見開いる。
さっきから何度も驚いてくれてたけど、今回が最大級のびっくりなんじゃないかな。
本気で驚いてるカズには悪いけど、サプライズが成功したことに嬉しくなってしまう。
「指輪なんて…しかも手作りだなんて…重くて引かれるかもしれないって思ったけど。……受け取ってくれる?」
カズはまだどこか呆然とした顔をしていたけれど、こくりと頷いてくれたから。
ますます嬉しくなって、カズが持つ小箱からそっと指輪を取り出した。
「ちょっと不格好だけど、この指輪に俺の想いを全部込めたんだ。カズが好きだよ、大好きだ。これからもずっとずっと一緒にいてください」
カズの左手を取って、薬指にゆっくりと通していく。
心配だったサイズも問題なさそうだ。
カズが黙って見守る中、指輪は薬指にピタリと収まった。