第2章 誕生祝い to Nino
「指輪…?」
確認するように呟くと、そのままカズは黙り込んでしまった。
カズの言う通り、箱の中身はシルバーリング。
なんと俺の手作りだ。
付き合って初めてのカズの誕生日だから、何か記念に残るものをプレゼントしたくて。
悩んで悩んでたどり着いたのが指輪だった。
なんか女の子へのプレゼントみたいかなって思わなくもなかったけど。
恋人になったからこそというか。
恋人じゃなきゃ贈れないものな気がして。
さらに色々調べていたら、自分で作れることが分かって。
もう、これしかないと思った。
カズへの愛をありったけ込めた世界にたった1つの指輪を作ろう!
意気揚々と材料を揃え、作り方も調べに調べ、脳内シミュレーションは完璧!
……だったんだけど。
俺は自分で思っていた以上に不器用だったらしい。
実際に作り始めてみたら難しいのなんの…
とてもじゃないけど自力でどうにか出来るレベルじゃなくて、どうにもならなくなった俺は智くんに泣きついた。
智くんは快く協力してくれて。
失敗を繰り返す俺を見捨てることなく、根気よく付き合ってくれたおかげで、時間は掛かったけど何とか1つのリングを完成させることが出来た。
お世辞にも上手とは言えないけれど、智くんも「味があっていいと思うよ」って褒めてくれたし。
愛だけはてんこ盛りに詰まってる。