第2章 誕生祝い to Nino
でも、そう思うようには行かないもので…
カズは基本的に自分から何かしたいと言い出すことが少ないから油断していたら、花火が終わった途端に珍しくおねだりが飛んできた。
俺の計画なんてカズは知らないんだから仕方ないし。
カズの可愛いおねだりを聞かないという選択肢なんて存在しないんだけど、それでも予定通りに行かなくなったことに一瞬動揺してしまって。
泳がせた視線が風間とぶつかった。
その目は大丈夫だと。
他の計画に変えればいいだけだと言っていて。
おかげで俺もすぐに冷静さを取り戻せた。
そうだよ、絶対この場所じゃなきゃダメなわけじゃない。
ちょうどカズが行きたがっているゲームの近くにも候補にあげていた場所がある。
そこにすればいいだけだ。
気を取り直して移動したけれど、動揺が残っていたのか、単に頭の中がこの後のことでいっぱいだったのか。
そんな状態で挑んだゲームは惨敗だった。
カズは見事に成功させて。
同じく成功した智くんのおかげでぬいぐるみを揃えることが出来たから良かったけれど。
本当は俺がプレゼントしたかったのにな…
自分の不甲斐なさに凹んでいるところに、カズが智くんに抱き付きながら大好きとか言うから、ますます落ち込んで。
カズのキラキラした満面の笑顔を見つめながら、俺の用意したプレゼントも同じくらい喜んでもらえるのだろうかと考えて少し不安になってしまった。