第2章 誕生祝い to Nino
サプライズは最初から今日決行するつもりだった。
カズにバレてしまったから正確にはもうサプライズではないけれど、予定を変えるつもりはなくて。
雅紀から別行動を提案されたから、最初は2人きりの時に渡してしまおうと思っていた。
みんなに見られるのはやっぱり恥ずかしいし。
でも、あれだけ親身になって助けてくれた智くんのことを考えたらそれは出来なかった。
智くんが本当にカズのことを大切に想ってくれているのはよーくよーく分かっているし。
もし俺が智くんの立場なら絶対気になるし、出来るなら渡すところまで見届けたいに決まってる。
もれなく他の3人も巻き込むことになってしまうのは申し訳ない気がしたけれど。
みんな気にするなと笑って、それどころか応援までしてくれた。
渡す場所はいろいろ調べて何ヶ所か候補をあげていたけど、実際にその場に行って確認することまでは出来なかったから、風間に相談させてもらった。
具体的な情報を教えてもらってまた悩んだけど、結局は園の中央にある湾に決めた。
どこを見ても夜景が綺麗だし、ロマンチックで大人なムード満点だよって風間も言うし。
カズに喜んでほしいからシチュエーションにも拘りたいけど、そのためだけに連れ回すのは嫌で。
ここならショーと花火が終わった後そのまま同じ場所にいればいいだけだから余計な移動もしなくて済む。