第2章 誕生祝い to Nino
「俺のは智にやるよ。ほら、選んで」
「え、いいの?ありがと///」
嬉しそうにはにかむ智が可愛い。
それだけで幸せになれる俺も翔に負けないくらい単純なんだろう。
「智、いっしょに選ぼ♡」
「うん」
2人でキャッキャと選んだのは、ぬいぐるみと同じ双子のリス。
まるで双子みたいな2人にぴったりだ。
智たちの隣では、雅紀と風間がおそろいのチャームを選んでいて。
雅紀は偶然だと思ったらしく「気が合うねー」なんて呑気なこと言ってるけど、違うからな!
風間がおそろいにしたくて雅紀に合わせたんだよ!
突っ込みたいが、それは俺が言うことじゃない。
こいつらも見てるともどかしいぜ…
でも風間が、雅紀とおそろいのチャームを大切そうに握りしめてすげー幸せそうな顔してるから。
まだ今はこのままでもいいのかもしれないと思った。
この辺りは出口から遠いからか、閉園が近付いたこの時間になるとかなり人が少ない。
ライトアップされてどこか荘厳な雰囲気が漂う宮殿の中庭にある噴水の前で翔が足を止めた。
噴水の向こうには、これまたライトアップされたキャラバンカルーセルが見えて。
なんだかやたらロマンチックなこの場所は、なるほどサプライズにぴったりだ。
「きれいだねー♡」
まだ何も気付いていない様子のニノが夜景に見惚れている間に、少し緊張した面持ちの翔からニノのぬいぐるみを預かる。
頑張れと言う代わりに肩を叩くと、翔は大きく息を吐いてからニノに向き直った。