第2章 誕生祝い to Nino
この時間ならだいぶ空いてると思うよと風間が言った通り、待ち時間はそんなに長くなかった。
並んでいる間に風間と予習してきたらしい翔から成功させるコツなんかを聞いてからゲームに挑んだが。
6人中、成功したのはニノと智だけだった。
イエーイなんて2人でハイタッチして喜び合ってる。
「ぬいぐるみニノにあげるね」
「えっ?いいの?」
「うん、誕生日プレゼント。2つ揃って良かったね」
「うわぁ♡ありがとう♡智だーいすきっ♡」
智は何の迷いもなくニノにプレゼントすることにしたらしい。
大喜びのニノがぎゅうっと智に抱きつく。
カッコイイところを見せられなかった翔は、それで更なるダメージをくらったらしく、何重にもショックを受けて落ち込んでいる。
「カズ…チャーム好きなの選んで…本当はぬいぐるみをプレゼントしたかったのに…ごめん…」
涙目になっちゃってるじゃん!
たかがゲームで落ち込みすぎだろ!
悔しい気持ちは分かるけどさ。
俺だって地味に悔しいし。
翔はたぶんサプライズに意識がいっちゃってて。
どこか心ここに在らずというか。
集中しきれていない感じだったから、失敗したのも仕方ないと思う。
「え?何で謝るの?」
ニノは何で翔がここまで落ち込んでるのか分からないらしく、キョトンとしていたけど
「チャームもらっていいの?すごく嬉しい♡ありがと、翔ちゃん♡」
可愛く笑いながら、今度は翔にぎゅっと抱きついた。
途端にデレる翔。
笑いそうになる単純さだが、幸せそうで何よりだ。