第2章 誕生祝い to Nino
「もう雅紀とはやらないっ!」
「えー!ごめんって!そんなこと言わないで一緒にやろ!ね?ね?」
プイっとそっぽを向いたニノに、雅紀が慌てて謝ってご機嫌を取り始める。
「知らないっ!」
「ニノちゃーん!」
「なにその呼び方!キモっ!」
「ひどっ!」
相変わらずな2人のやり取りを智と笑いながら見ていたけど。
今のうちにと、智にそっと耳打ちする。
「翔な、ショーの後に渡すらしい。智にも見届けて欲しいって」
智は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに嬉しそうに笑った。
「みんなで見守ろうぜ」
ニコニコしながらこくりと頷く智が可愛くて。
つい抱き締めたくなって、手を伸ばしかけたけど
「智は一緒にやろうね♡」
「だから俺もやるっての!」
「あはは!うん、みんなでやろうよ」
「ほら!智もこう言ってるだろ!」
「えー…智がそう言うなら…」
ギャーギャー騒ぎながら智を巻き込みに来たニノと雅紀に邪魔された。
俺が抱き締めたかった智はニノの腕の中だ。
ま、仕方ない。
ニノとじゃれてる智もめちゃくちゃ可愛いから。
相手がニノなら俺は気にならない。
いつの間にか風間との話が終わっていたらしい翔は複雑な顔して見てるけど。
いつまで経っても変わらない翔も、騒がしい3人も、優しく見守ってる風間も。
なんだかこの空間の全てが微笑ましく思えて、1人小さく笑ってしまった。