第23章 入学準備
「雅紀だってブカブカじゃん!」
ニノの言う通り、雅紀も少し大きめの制服を着ている。
でも雅紀はまだ身長が伸び続けてるみたいだから当然のことだろう。
それに大きめの制服といっても、ニノほどおかしなことにはなっていない。
常識の範囲内のサイズ感だと思う。
「俺はまだ成長期なの!」
「俺だってそうだもん!まだまだ伸びるし!」
ニノが食ってかかるけど、雅紀はすっと真顔になった。
「いや、もう無理だろ。ニノ小学校高学年からほぼ変わってないじゃん」
冷静なツッコミに思わず頷いてしまう。
確かに、俺がニノと知り合った時には、ニノはもう既にほぼ今のニノだった。
そして中学の3年間でほとんど変わっていない気がする。
成長期が早くきて早く終わっちゃったんだろうな。
「何でだよ!まだ伸びるよ!」
「いや、無理だろ」
「決めつけんなよ!俺はまだ大きくなるし、ムキムキになる予定なの!」
「いやいやいや…」
ムキムキって…
身長はまぁもしかしたらあと数cmくらいは伸びるかもしれない。
ここから10cmも20cmも大きくなることはなさそうだけど。
でもムキムキにはまずなれないだろう。
ニノは運動好きじゃないから筋トレなんてしないし、そもそも筋肉が付きにくい体質っぽいし。
こんな可愛いニノがムキムキになるなんて想像もつかない。
ま、身長に関しては俺もニノのこと言えないんだけどね。
俺の身長ももうほぼ止まってるから。
でも俺はもう諦めてるからいいんだ。
だから、制服も店員さんに勧められるままほぼジャストサイズを選んだ。
それでも試着したらまだ少し余裕がある。
背格好が似てるニノもこれでいいと思う。
本来ならニノだってこういうの面倒くさがって言われるまま決めちゃいそうなタイプなのにな。
それくらい大きくなりたいと思ってるのが可愛いよね。